唯識ゆいしき)” の例文
唯識ゆいしき三年倶舎くしゃ八年」などと気長のことばかりをいい立てて、さらに時弊に応じて教義を調合するさじ加減を知らざる風情であります。
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)
日本にも天台の宗義にくわしいとか唯識ゆいしきあるいは真言の宗義にくわしいというえらい学者は沢山ありますけれども
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
倶舎くしやだの唯識ゆいしきだの三論などゝいふ仏教哲学を一応知つたといふだけ、悟りなどゝいふ特別深遠なものはないといふ幻滅に達して、少年時代の夢を追ひ再び文学に逆戻りをした。
処女作前後の思ひ出 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)