吐雲斎とうんさい)” の例文
むしろこれへ入って来た闖入者ちんにゅうしゃの来意を問わんとするかのような態度だった。またどこか、吐雲斎とうんさいの毛利時親の風貌を思わせるようなところがなくもない。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうだな、大和口には煙もみえん。大蔵、いずれ木戸の調べもあろうが、医師くすし吐雲斎とうんさいと答えるのを忘れるな」
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「隠者と呼んだり、時親さまといったりする口癖は気をつけろ。……吐雲斎とうんさいと呼べ、吐雲斎と。よろしいか」
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ほんとだ、そこの軒桁のきげたを仰ぐがいい。わたしは吐雲斎とうんさいだ、吐雲居士とうんこじという山家おやじにすぎんのだ」
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
吐雲斎とうんさい毛利時親は、そのご一ぺんもこの山荘へは帰っていない。すでにあれからもう四年になる。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「例の、樗門おうちもんの内にいる毛利時親とやらいう怪態けたいな老兵学者が、どうしても、お目にかかりたいと、ごくを叩いて、わめきおりまする。……あの吐雲斎とうんさいとも申す老いぼれでございますが」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
吐雲斎とうんさい、毛利時親
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
吐雲斎とうんさいか」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)