“吐瀉(としや)” の例文
勿論、先生の吐瀉(としや)したのは、豆と水とに祟(たた)られたので、コレラではなかつたが、この事があつたために、先生は人間の父たるもののエゴイズムを知つたと話してゐた。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
睡眠薬の量も足りなかつたのに加へて、晩春の雨が抱いて倒れた二人の上に降りそそいで、自分たちは蘇生したのだ。吐瀉(としや)を催して、自分たちは味気ない表情を見交した。
現代詩 (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)
その時、先生は豆を沢山(たくさん)食つて、水を沢山飲んで、それから先生のお父さんと一緒(いつしよ)に、蚊帳(かや)の中に寝てゐたさうである。さうして、その明け方に、蚊帳の中で、いきなり吐瀉(としや)を始めたさうである。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)