可憐いぢ)” の例文
たゞ五人の中央にけられたる初花太夫が、振り乱したる髪の下にてすゝり上げ/\打泣く姿、此上もなく可憐いぢらしきを見るのみ。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
見榮も恰好もなく着るによいだけ厚着をして、どれも皆元氣よく野獸のやうに強い響きをもつた、しかし其のなかに異樣なくらゐ可憐いぢらしさの籠つた言葉でもつて、大聲に喚き合はしてゐる。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)