双肌脱もろはだぬ)” の例文
まず、最初に現わしまするは、西側の煉瓦塀れんがべいの横で、双肌脱もろはだぬぎになって、セッセと働いている白髪の老人で御座います。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
日頃気取ってばかりいる中年増のお袖も、訳のわからぬ事を歌い続けながら、あられもない双肌脱もろはだぬぎになって、尻尾に火の付いた獣のように、船の中を飛び廻ります。
万平は鏡台の前に座って勇ましく双肌脱もろはだぬぎになった。鏡台の曳出ひきだしを皆開け放して、固練かたねり白粉おしろいで胸から上を真白に塗りこくり、首筋の処を特に真白く、青光りする程塗上げた。
芝居狂冒険 (新字新仮名) / 夢野久作(著)