双眼鏡めがね)” の例文
東屋氏は、双眼鏡めがねを持って、グルグルと水平線を見廻していたが、やがてひと息つくと、水上署長へ
動かぬ鯨群 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
「ようし軍事施設は一切ないらしいな」凝乎じっと眺めていたルドウィッヒ大尉は、その瞬間心を決めたように双眼鏡めがねを離した。「一同そのままで聞け!」と大音声を張り上げた。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
しかし、人々は、苦笑しながら双眼鏡めがねを外した。その船は、釧路丸ではなかったのだ。
動かぬ鯨群 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
人々は固唾かたずを呑んで双眼鏡めがねを覗いた。捕鯨船は、見る見る鯨群に近付いて、早くも船首にパッと白煙を上げると、海の中から大きな抹香鯨の尻穂しっぽが、瞬間跳ね曲って、激しい飛沫を叩きあげた。
動かぬ鯨群 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)