公事訴訟くじそしょう)” の例文
公事訴訟くじそしょう依怙えこから、金銀の横領などにわたる私的行為の不徳までを、綿々、烈々、辞句にかざりもなくしたためて突きつけた弾劾文だんがいぶんであったのである。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また薄気味のわるい程の中庸ちゅうようを得たどっちつかずの思慮深い男であったところから、公事訴訟くじそしょう一つも起らず治績また頗る挙ったために、領民共その徳風に靡いて、いつのまにか前記のごとく
「怪しからん怠慢だ。公事訴訟くじそしょうも山ほどつかえているというに」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)