係恋けいれん)” の例文
全体がむつかしくない、赤人的な清朗な調べの歌であるが、菫咲く野に対する一つの係恋けいれんといったような情調を感じさせる歌である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
海の玉藻に対する係恋けいれんとも云うべきもので、「思ほえむかも」は、多くは恋人とか旧都などに対して用いる言葉であるが、この歌では「玉藻」に云っている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
もともと煙の香に一種の係恋けいれんを持っていたのだから中学の三年ごろから、秘かに煙草むことをおぼえて、一年ぐらい偶〻たまたまに喫んでいたが、ある動機で禁煙して
三筋町界隈 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)