侫奸ねいかん)” の例文
侫奸ねいかんの徒には侫奸の徒らしい、侫奸の策略があるものである。こう云って来て不破小四郎は、得意そうに、一座を身廻した。
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
用に立つ人物は、十人の内六人め四人そしるものである。十人が十人譽めるものは侫奸ねいかんである。なほ一つ心得て置くべきは權道である。これを見切と云ふ。
栗山大膳 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
というのが、出来事のすぐあとで、重臣の評議があったとき、伊達兵部がまっさきに発言して、「かれら四人は侫奸ねいかんな人間であった、金兵衛らはよくやった」
新見は植木がこんな処に親切気のあるのを見ていつも喜んで居るのであるが、侫奸ねいかんと見える植木でもさすがに哀れな病人を見ると、同情と侠気が起るらしいのである。