佐介さすけ)” の例文
それに相槌打つかのごとく、近くに居流れていた佐介さすけ五郎、淡河兵庫おごうひょうご斎藤宮内さいとうくないじょうすけ師時もろときなども、酒気にまかせて
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
佐介さすけも一夜省作の家をうて、そのいさくさなしの気質を丸出しにして、省作の兄と二人で二升の酒を尽くし、おはまを相手に踊りまでおどった。兄は佐介の元気を愛して大いに話し口が合う。
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
「ごらんのごとく、武家屋敷も軒なみ焼けせ、雪之下、塔ノ辻、大町、佐介さすけ、すべてぼうたる焦土でございまする。たまたま残った門や家には、はや諸国の武士が混み入っておりますし」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
兄の佐介さすけよりはかえっておとよを頼もしく思っていたのである。
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)