亜砒酸あひさん)” の例文
一、翌朝「売薬処方便覧」でポリモス錠の処方を調べ、その丸薬には強壮素として亜砒酸あひさんの極微量が含まれていることを知った。
黒い手帳 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そう考えて居るうち、以前、ある薬局の二階に下宿して居たときに手に入れた亜砒酸あひさんを思い出した。
死の接吻 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
そこでこれはたまらないと悄気しょげているところへ、僕が悪党らしく流産手術を持ちだしたものだからすっかり安心して、真一君を亜砒酸あひさんで殺したことを自白に及んだというわけさ。
三人の双生児 (新字新仮名) / 海野十三(著)
爾薩待「それはね、亜砒酸あひさんを掛けるんです。いま私が証明書を書いてあげますから、これを持って薬店へ行って亜砒酸を買って肥桶一つにこれ位ぐらい入れて稲にかけるんです。」
植物医師:郷土喜劇 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そうして未亡人の死を聞いて非常に驚き、亜砒酸あひさんの中毒ですよと大声でお言いになりました。それから死体をちょっと診て、すぐさま家に帰り、死亡診断書をお書きになりました。
愚人の毒 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
爾薩待「さうですなあ、虫を殺すとすればやっぱり亜砒酸あひさんなどが一番いいですな。」
植物医師:郷土喜劇 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
一月十六日の夜、二人に亜砒酸あひさんを飲ませて殺した。台所の石床に厚く砂を敷き、その上に耐火煉瓦を積んで火爐をつくり、煙突を立てて、その煙突を料理用のストーヴの煙突に接続させた。
青髯二百八十三人の妻 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ひそかに喜助の手を借りて毒薬亜砒酸あひさんを常用していたが、それは多分、抗毒性の体質をつくりだすことにあったのであろうが、それは実際、老人にとってどんな役目を演じていたのであろうか。
仲々死なぬ彼奴 (新字新仮名) / 海野十三(著)
爾薩待「それはね、亜砒酸あひさんという薬をかけるんです。」
植物医師:郷土喜劇 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)