五十川いそがわ)” の例文
叔父があわてて口の締まりをして仏頂面ぶっちょうづらに立ち返って、何かいおうとすると、葉子はまたそれには頓着とんじゃくなく五十川いそがわ女史のほうに向いて
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
五十川いそがわが親類じゅうに賛成さして、晴れがましくもわたしをみんなの前に引き出しておいて、罪人にでもいうように宣告してしまったのです。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
東京に帰ってから叔母おば五十川いそがわ女史の所へは帰った事だけを知らせては置いたが、どっちからも訪問は元よりの事一言半句いちごんはんく挨拶あいさつもなかった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
うっかりした事はいわれないと思ったか、何事も打ち明けずに、五十川いそがわ女史に尋ねてもらいたいと逃げを張ったらしい。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
今ごろは田川の奥さんの手紙が五十川いそがわのおばさんの所に着いて、東京ではきっと大騒ぎをしているに違いありませんわ。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
わたしを木村にしいて押し付けた五十川いそがわのおばさんは悪い……わたしの恨みはどうしても消えるものか。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)