二語三語ふたことみこと)” の例文
いかにもなまめかしい。時雄はこの力ある一瞥いちべつに意気地なく胸をおどらした。二語三語ふたことみこと、普通のことを語り合ったが、その平凡なる物語が更に平凡でないことを互に思い知ったらしかった。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
股をひろげてこっちに顔を向け焚火に手をかざしていたが、やがて腰をかがめて何か二語三語ふたことみこと云った。すると、すぐ隣のハッピの職人が首をあげてサエの立っている窓の方を見上げた。
鏡餅 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)