“九頭竜川”の読み方と例文
旧字:九頭龍川
読み方割合
くずりゅうがわ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「図面で見ると、ここに相当大きな川がある、これが有名な九頭竜川くずりゅうがわの川上らしい、すると、この川に沿って下れば、三国へ出るのだが——」
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
つま先あがりになっている道を、ふたりは九頭竜川くずりゅうがわのほうへくだっていった。町の軒に、たそがれの色が濃くなり、凍るような風が、家々のひさしや、樹立や、枯れた道草を飄々ひょうひょうと鳴らしていた。
(新字新仮名) / 山本周五郎(著)
この庄の落城物語を歴史で読むと、巍々ぎぎたる丘山の上にでもあるかと思えば、これは九頭竜川くずりゅうがわの岸に構えられたる平城ひらじろ。昔は壮観であったに相違ないと思うが、今は見る影もない。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)