不如しかず)” の例文
「原稿料じゃ当分のうち間に合いません。稿料不如しかず傘二本か。一本だと寺を退く坊主になるし、三本目には下り松か、遣切やりきれない。」
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大に文字禪をひつさげ、天晴一小手進上申し度候ところ、どう考へても、筆ボラは舌ボラの妙には不如しかず、儉約して葉書に相場を卸し申し候。
ごりがん (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
何、植物園から豆府地蔵、不如しかず菎蒻閻魔こんにゃくえんまにさ。煮込んでも、味噌をつけても、浮世はその事だよ。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)