不如いつそ)” の例文
実に浅ましい事だと思ふから、或時は不如いつそ父の前で死んで見せて、最後の意見を為るより外は無い、と決心したことも有つたのです。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
これは不如いつそ富山に訳を話して、それだけのお金をどうにでも借りるやうに為やうかとも思つて見まして、狭山さんに話しましたところ、俺の身はどうでも、お前の了簡ぢや
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あんな奴は打抛出おつぽりだしていて、這箇こつち掻巻かいまき引被ひつかぶつて一心に考へてゐたんですけれど、もうれたくて耐らなくなつて来たから、不如いつそかまはず飛出して了はうかと、余程よつぽどさう念つたものの
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)