下河原しもがわら)” の例文
そのあたりは、そんな種類の女の住んでいる祇園町に近いところで、三条の木屋町でなければ下河原しもがわらといわれて、祇園町の女の出場所になっている洒落しゃれた土地であった。
黒髪 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
是れからすぐに町奉行所へ出て、依田豊前守のお調べに成りましたが、此の下河原しもがわら清左衞門は人違いか、全くの毒を盛った武家さむらいか、是れは後篇に申し上げることにいたします。
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
妙に話をわきへそらすようにするし、そうかといって、女のいうままに下河原しもがわらの旅館の方にいって要領を得た話を訊こうとしても、そこでもなるべくそんな話はいい出さないようにして
狂乱 (新字新仮名) / 近松秋江(著)