上眼遣うわめづか)” の例文
常吉の縄尻なわじりをとって、留五郎と岩吉が揚々と引き揚げて行った後は、度を失った一同が、恐る恐る上眼遣うわめづかいに、伝七をぬすみ見るばかりであった。
陸軍大臣は肘掛椅子に深々ともたれ、右手で口髭をおさえるようにして、上眼遣うわめづかいに宙を見つめていた。引締った頬が緊張のためにピリピリ震えているのではないかとさえ思われた。
偉大なる夢 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)