一処いつしよ)” の例文
旧字:一處
「さうは思ひはしないよ。お前の方にも理はあるのだから、さうは思ひはしないけれど、一処いつしよに居たらさぞ好からうとは……」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そんならうすればいか? 其問題を真面目に考へるには、色々の意味から私の素養が足らなかつた。のみならず、詩作その事に対する漠然たる空虚の感が、私が心を其一処いつしよに集注する事を妨げた。
弓町より (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
番町の方の鰐淵わにぶちとかいふ、地面や家作なんぞの世話をしてゐる内に使はれて、やつぱり其処そこに居るらしいのだから、好い事は無いのでせう、ああして子供の内から一処いつしよに居た人が
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「寒くてたまらんからその中へ一処いつしよに入れ給へ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)