一個宛ひとつずつ)” の例文
それで民子は、例のたすきに前掛姿で麻裏草履という支度。二人が一斗笊一個宛ひとつずつを持ち、僕が別にばんニョ片籠かたかご天秤てんびんとを肩にして出掛ける。民子が跡から菅笠すげがさかむって出ると、母が笑声で呼びかける。
野菊の墓 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)