“らせつだに”の漢字の書き方と例文
語句割合
羅刹谷100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いうまでもなく、まぼろしの敵にたいする先帝奪回の封じ手だった。——高氏の一ぜいなどもまた、羅刹谷らせつだにを出て、大和口の三ノ橋に、こよいも篝火かがりびをさかんにし、非常の警備についていた。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ときどき、羅刹谷らせつだにの奥まったところで、平家琵琶のかなでを独りほしいままにして、都の焦土も、千早金剛のあらしも、いや春闌はるたけて来た山の色の移りも知らぬかのような者がいた。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と近くの羅刹谷らせつだにから、しょっ引いて来たものだった。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)