“やえすがし”の漢字の書き方と例文
語句割合
八重洲河岸100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
上屋敷は、八重洲河岸やえすがしの川ぞいにある。ろくは四万石、そして、彼はまだ若かった。時勢の新人で、俊才で、未来の老中をもって嘱目しょくもくされていた。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
氷が来た時分に、表から風の吹き通す茶の間の入口の、簾屏風すだれびょうぶの蔭にていた正雄も、やっと目を覚ましかけて来た。正雄はそのころ、叔父の知っている八重洲河岸やえすがしの洋服屋へ行っていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
八重洲河岸やえすがしの屋敷へ近づくにつれて、難しい父の顔が胸につかえてくる。登城して、もう屋敷にはいない時刻だが
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
富武家の門を辞してから、二人はまた、八重洲河岸やえすがしを歩きながら首をかしげていた。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)