“もちま”の漢字の書き方と例文
語句割合
餅撒100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「さア餅撒もちまきだ」と誰かが云った。そのときまでには大人もつめかけていた。海岸の漁夫部落からは半分裸の男もおしかけて来た。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
式の翌る日からは、貧民への餅撒もちまきやら、施粥せがゆやら、寺院への勧進かんじんやら、それも済むと、新郎新婦は、やがて、新しい愛の巣へ、二人だけで移って住むことになった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのあとを彼は女に向いて云った、「そなたも久しぶりで人間の顔を見るわけじゃ、まもなく餅撒もちまきがはじまりましょう故、縁起を拾うて匇々そうそうに戻るがよい、衣類はこれで上等」
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
その侍は、今朝から、室町の餅撒もちまきにも、照降町てりふりちょうの新道にも、ちらちら姿を見せ、たえず雲霧の後をけていた。——聡明な眼と、機敏な動作は、すぐ、次の駕にひそんで、先のを追った。
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)