“むろざ”の漢字の書き方と例文
語句割合
室咲100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
都育ちの室咲むろざき剣術、なかなかもってそんなものではない……山から切り出した石材そっくり恐ろしく荒い剣法じゃ……そろそろ呼吸いきが荒くなって来たぞ
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
室咲むろざきの薔薇ばら、窓からさす日の光、かすかなピアノの響、伏目になった辰子の姿——ポオト・ワインに暖められた心には、そう云う快い所が、代る代る浮んだり消えたりした。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
室咲むろざきにした優しい桃色の花や、縁側に釣した鸚鵡の眞白い羽の色なぞが一瞬間も早く見たくなつて、列車の進行をば寒さと暗さに苦しめられた昨夜の旅よりも更にもどかしく思つた。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)