“へんりん”の漢字の書き方と例文
語句割合
片鱗100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
日本本来の伝統に認識も持たないばかりか、その欧米の猿真似に至ってはたいをなさず、美の片鱗へんりんをとどめず、全然インチキそのものである。
日本文化私観 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
蕭照は、この人を知ることのおそかったのを悔いた。彼は初めからこの老画師に害意はもたなかったものの、また好意の片鱗へんりんも持たなかった。
人間山水図巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さすがに病床の粥腹かゆばらでは、日頃、日本のあらゆる現代作家を冷笑している高慢無礼の驕児きょうじも、その特異の才能の片鱗へんりんを、ちらと見せただけで
ろまん灯籠 (新字新仮名) / 太宰治(著)