“ひのみやぐら”の漢字の書き方と例文
語句割合
火見櫓100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ブラリブラリと歩き出しながら町角を右へ曲ると、急に悪夢から醒めたように火見櫓ひのみやぐらの方向へ急いだ。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
一年あまり風雨にさらされているので、白亜の壁はところどころ禿げ落ちて鼠色になり、ぜんたいは一見不恰好な灯台か、ふるぼけた火見櫓ひのみやぐらとも見えた。私はそれを感慨ふかく見上げた。
蜘蛛 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
五千石の格式だけに土塀を取廻した屋構え大きく、門をはいった横のところには火見櫓ひのみやぐらが建っていた。うまやがあるのだろう、すぐ近くに馬のいななきが聞えた。彼はちょっと考えて、脇玄関へ訪れた。
ひやめし物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)