“ひとまく”の漢字の書き方と例文
語句割合
一幕100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この一幕ひとまくの「竜虎図」は全く勝敗がないと言っていいくらいのものだが、見物人は満足したかしらん、たれも何とも批評するものもない。そうして阿Qは依然として仕事に頼まれなかった。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
事実よりも明暸めいりょうな想像の一幕ひとまくを、描くともなく頭の中に描き出した津田は、突然ぞっとして我に返った。もしそんな馬鹿げた立ち廻りが実際生活の表面に現われたらどうしようと考えた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この生駒の滝を背景とした血なまぐさいなぞにみちた一幕ひとまくこそ、やがて春木清が少年探偵長として全世界へ話題をなげた奇々怪々なる「黄金おうごんメダル事件」へ登場するその第一幕であったのだ。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)