“はんちく”の漢字の書き方と例文
語句割合
斑竹100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
若者は襟を取られたまま、斑竹はんちくの笛をふり上げて、横払いに相手を打とうとした。が、素戔嗚は手もとをゆるめるまでもなく、遊んでいた片手を動かして、苦もなくその笛をじ取ってしまった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
美しい顔、きらびやかな勾玉、それから口に当てた斑竹はんちくの笛——相手はあのせいの高い、風流な若者に違いなかった。彼は勿論この若者が、彼の野性を軽蔑する敵の一人だと云うことを承知していた。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
するとそこへもう一人の若者が、斑竹はんちくふえを帯へさして、ぶらりと山を下って来た。それは部落の若者たちの中でも、最も精巧な勾玉やくしろの所有者として知られている、せいの高い美貌びぼうの若者であった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)