“ねんろう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
年﨟33.3%
拈弄33.3%
粘弄33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
良家の娘たちの不幸にしてめいを失った者は、親が嫁入のような支度を調えて、御前ごぜの家へ送り込んだ。それが年﨟ねんろうを積んでよい地位に経のぼって行くことは、尼寺などと異なるところがなかった。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
彼は徒に空論を拈弄ねんろうする代りに、患者達の汚い便所を黙々と洗ふ。それが彼の宗教であり、この地味な然し偉大な苦業者のギョウなのである。
盗まれた手紙の話 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
この子供の唇にもてあそばれる短い文句を、わたくしはたゞ嫌味のない言葉としてなおざりにT——町の路傍の子供の口から拾い上げ、明け暮れ胸の中でチュウインガムのように粘弄ねんろうしていたのでしたが
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)