“なべぞこ”の漢字の書き方と例文
語句割合
鍋底100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
浅い鍋底なべぞこのような形をしたフェルトをすぽりと坊主頭へ頭巾ずきんのようにかぶるのが、彼に大した満足を与えた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
大根のチリ鍋は、とっくに煮詰って、鍋底なべぞこは潮干の潟にあくたが残っているようである。台所へ出てみると、酒屋の小僧が届けたと見え、ビールが数本届いていた。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
保儀使ほぎしといえば軍人でも佐官に過ぎない。のみならずこの宣賛せんさんは、西蕃せいばんとの混血児あいのこである。ヒゲは赤く、ちぢれ毛で、鍋底なべぞこのような顔にまた念入りにも雄大なる獅子ッ鼻ときている。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)