“とどく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
荼毒50.0%
蠧毒25.0%
茶毒12.5%
蠹毒12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこで社主が代って、あの調子を社会を荼毒とどくするものだと認めたとしよう。一般の読者を未丁年者として見る目で、そう認めたのは致し方がない。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
顧れば十余年前の事である。満洲事変が起ってから、世には頻々として暗殺が行われ初めた頃である。一種の英雄主義が平和に飽きた人心を蠧毒とどくし初めた頃である。
墓畔の梅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
いつのまにかその習俗に茶毒とどくされ、日本から受け継いだ、男としての気概などは跡かたもなくなって、風船玉のような尻腰のない、へなちょこな魂ができあがった。
墓地展望亭 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
三郎兵衛のたぐいに取っては、彼自身の慾を遂げるために、どんな毒気を吐き散らして、他人を蠹毒とどくしようとも意としないのだ。只、どこまでも、我慾を果してゆけばよかった。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)