“せきぶね”の漢字の書き方と例文
語句割合
関船100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかも、そいつア美しい生物で、イヤだと泣くのを手込てごめにして、お関船せきぶねの底へ隠し、他領者を入れちゃならぬ御城下へくわえこみながら、殿様の目をかすめているという人相だ……
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「昨年、殿と同船して帰国した時は、いかめしいお関船せきぶねで、船中も住居とかわらぬ綺羅きらづくしであったが、旅はむしろこうした商船あきないぶねで、穀俵こくだわら雑人ぞうにんたちと乗合のほうが興味深いものだ」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「で、近いうちには、お関船せきぶねの便がないから、上方へ荷をだす四国屋のあきない船へのせて貰うがいい。そして、帰りには、月の下旬に阿波へ戻る同じ船で、きっと帰ってこないと承知せぬぞ」
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)