“ざこば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
雑喉場50.0%
雑魚場50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「船浦戸に入りて雑喉場ざこばの前を過る時種崎の方の岸に見とるらしき女夏に似たり。」
『団栗』のことなど (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
雑喉場ざこばの前に日本式の小さい帆前が一艘ついて、みぎわには四、五人ほど貝でも拾っている様子。伝馬に乗ってかいを動かしている女の腕に西日がさして白く見える。どうやら夏のようにも思われる。
高知がえり (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
雑魚場ざこばから帰ったまゝの恰好で順平がかけつけた時は、むろん遅かった。かすかに煙を吹き出していたようだったと看護婦からきいて、順平は声をあげて泣いた。
放浪 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
台所には石室をつくり、魚河岸から生きた魚を、雑魚場ざこばから小魚を仕入れてここへかしておく。
顎十郎捕物帳:18 永代経 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)