“こみみ”の漢字の書き方と例文
語句割合
小耳100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたくしの父は、生前文部省の役人で一時帝国大学にも関係があったので、わたくしは少年の頃から学閥の忌むべき事や、学派の軋轢あつれきの恐るべき事などを小耳こみみに聞いて知っていた。
正宗谷崎両氏の批評に答う (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そうかと思うと、ふところから汗によごれた財布を出して、半月分の月給がはいっているのを確かめてにっこりした。二円あればたくさんだということはかねてから小耳こみみにはさんで聞いている。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
シカモ女に縁のなさそうな薄汚うすぎたないつらをした男が沼南夫人の若いつばめになろうとは夢にも思わなかったから、夫人の芳ばしくない噂を薄々小耳こみみに入れてもYなぞはテンから問題としなかった。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)