“きみいでら”の漢字の書き方と例文
語句割合
紀三井寺100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼らの見物して来た所は紀三井寺きみいでらであった。玉津島明神たまつしまみょうじんの前を通りへ出て、そこから電車に乗るとすぐ寺の前へ出るのだと母は兄に説明していた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
紀三井寺きみいでら入相いりあいの鐘がゴーンと鳴る時分に、和歌浦わかのうらの深みへ身を投げて死んでおしまいなすった」
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
こヽに紀三井寺きみいでら
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
ことに有名な紀三井寺きみいでら蓊欝こんもりした木立こだちの中に遠く望む事ができた。そのふもとに入江らしく穏かに光る水がまた海浜かいひんとは思われない沢辺さわべの景色を、複雑な色に描き出していた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「二郎お母さんは先刻さっきああ云ったけれども、よく一郎に聞いて見ると、何だか紀三井寺きみいでらで約束した事があるとか云う話だから、残念だが仕方ない。やっぱりその約束通りになさい」
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)