“きつれ”の漢字の書き方と例文
語句割合
木連100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は木連きつれ格子のあいだからそれをそっと転がし込んで、自分は土のうえに平蜘蛛ひらぐものように俯伏していた。彼は一生懸命に息を殺していた。
半七捕物帳:06 半鐘の怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そして、木連きつれ格子を抑えながら、彼方の火影がどう来るかうかがっていると、その小舟はやがて雨乞堂から二町ほど先の池尻の入江へすべり込んで、松明たいまつの火もやがてどこかへ立ち去ったらしい。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それを登り尽くした丘の上に、大きい薬師堂が東にむかって立っていて、紅白の長い紐を垂れた鰐口わにぐちが懸かっている。木連きつれ格子の前には奉納の絵馬もたくさんに懸かっている。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
どんと、ひとりでのように、彼の足は、後ろの木連きつれ格子を蹴とばしていた。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)