“がくぶろ”の漢字の書き方と例文
語句割合
額風呂100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「同じ額風呂がくぶろでも、あそこならば人眼が少ない。だが……」と日本左衛門は、胸に来ているお蝶の白い手の甲へ自分の手を重ねて
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
無論、額風呂がくぶろの客にはちがいありますまいが、作り笑いをした眼元に一癖のある町人が、ヒョコヒョコ頭を下げながら、ぷいと縁先から姿をかくしました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もっともそこは、喜撰きせんという額風呂がくぶろの奥で、湯女ゆなを相手に、世間かまわず騒げるような作りなので、さっきからの半鐘も、聞こえぬくらいに静かなのである。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やっとそこらの額風呂がくぶろの戸があいて、紅殻べにがらいろや浅黄のれんの下に、二、三足の女下駄が行儀よくそろえられ、盛塩もりじおのしたぬれ石に、やわらかい春のしかけるひる少し前の刻限になると
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
額風呂がくぶろへきて泊りながら、ちっとも風呂へ入らないじゃないか」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)