“あらと”の漢字の書き方と例文
語句割合
荒砥100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「今日はよきものを持ち来ぬ」とて寡婦の前に卸したり、その黒染めの古板と欠けたる両脚は、牧家数代の古机にして、角潰れ海に蜘蛛くもの網かけたる荒砥あらとすずり
空家 (新字新仮名) / 宮崎湖処子(著)
荒砥あらとで菜切庖丁のようにいだ肌などを見ると——これは後に解ったことですが——能登のとの国から出て来たという丑松の持物で、江戸の人の眼からは、山奥の猟師か
わが恋は荒砥あらとにかけし剃刀の、逢いもせなけりゃ切れもせぬ。蛇じゃないぞえ、生殺し。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)