お茶好き小話おちゃずきこばなし
わたしのお茶好きは祖母の影響だ。八つの年、父母の許をはなれて、祖父母のゐる町で小学校へあがり、そこに六年間暮らしたが、祖母は溜塗りの炉べりのついた囲炉裏に座り、南部の鉄瓶に湯をたぎらせてお茶ばかりのんでゐた。少年のわたしも朝茶をのみならひ、 …