『箱の中のあなた（はこのなかのあなた）』
「あの、失礼ですが」 なめらかな都会ふうの男の声がいった。彼女は、臆病と疑惑とがいっしょになったようなぎごちない様子で、立ち止った。 丘の上は、すばらしい夕焼けで赤く染っていた。馬の背のような地面に、まばらな木が細長い影をつくっていた。 「 …
著者山川方夫
ジャンル文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出「ヒッチコック・マガジン　第3巻　第2号」宝石社、1961（昭和36）年2月1日
文字種別新字新仮名
読書目安時間約7分（500文字/分）
朗読目安時間約12分（300文字/分）