『悩みのひととき』
彼は机から——例の小さいこわれそうな書物台から立ちあがって、絶望した人のごとく立ちあがって、首を垂れたまま、部屋の反対の隅にある煖炉のほうへ歩いて行った。煖炉の円柱のように長くすらりとできている、炉瓦のところに両手をあててみたが、なにしろも …
| 著者 | パウル・トーマス・マン |
| 翻訳者 | 実吉捷郎 |
| ジャンル | 文学 > ドイツ文学 > 小説 物語 |
| 原題 | SCHWERE STUNDE |
| 文字種別 | 新字新仮名 |
| 読書目安時間 | 約18分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約30分(300文字/分) |