鳥獣剥製所ちょうじゅうはくせいじょ一報告書いちほうこくしょ
私はその建物を、圧しつけるやうな午後の雪空の下にしか見たことがない。また、私がそれに近づくのは、あらゆる追憶が、それの齎す嫌悪を以て、私の肉体を飽和してしまつたときに限つてゐた。私は褐色の唾液を満載して自分の部屋を見棄てる、どこへ行くのかを …