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『浅間山麓』
ふりがな文庫
『
浅間山麓
(
あさまさんろく
)
』
落葉松の暗い林の奥で、休みなくかっこうが鳴いている。単調な人なつっこいその木霊が、また向こうの山から呼びかけてくる。七月というに、谷川の音に混じって鴬がかしましく饒舌している。然しここでは、鴬も雀程にも珍しく思われない。 谷あいの繁みをわけ …
著者
若杉鳥子
ジャンル
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆
初出
「都新聞」1934(昭和9)年7月28~29日
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約6分(500文字/分)
朗読目安時間
約9分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
寛
(
ひろ
)
窺
(
のぞ
)
堕
(
おと
)
剃刀
(
かみそり
)
嵌
(
は
)
昏
(
く
)
木霊
(
こだま
)
架
(
か
)
滾々
(
こんこん
)
訊
(
き
)