かの日の歌【二】かのひのうた【二】
◉ 音なき秋の空をながめて、 木の葉は淡き吐息をもらし、 色みな、悲しきメロディなり。 時のまに/\泣きすぐる風に、 調べはいたく、狂ひわなゝき、 自然の胸の痛みは、更に深し。 黄ばめる木の葉は、翼をふるひ、 暗をもりたる、谷をみおろし、 …