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足早
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あしばや
ふりがな文庫
“
足早
(
あしばや
)” の例文
その内に大声に人を喚んだ声を聞いて、小屋から多勢の者がどやどやと出てきたので、女は手を離して
足早
(
あしばや
)
に嶺の方へ上ってしまった。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
燕作は、
野武士
(
のぶし
)
の仲間から、
韋駄天
(
いだてん
)
といわれているほど
足早
(
あしばや
)
な男。
頭
(
ず
)
をさげて、昌仙からうけた密書をふところへ深くねじおさめ
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
再び
帰
(
かえっ
)
て来はしないぞ、今日こそ
宜
(
い
)
い
心地
(
こころもち
)
だと
独
(
ひと
)
り心で喜び、
後向
(
うしろむ
)
て
唾
(
つばき
)
して
颯々
(
さっさつ
)
と
足早
(
あしばや
)
にかけ出したのは今でも覚えて居る。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
といひかけて
衝
(
つツ
)
と
立
(
た
)
ち、つか/\と
足早
(
あしばや
)
に
土間
(
どま
)
へ
下
(
お
)
りた、
余
(
あま
)
り
身
(
み
)
のこなしが
活溌
(
くわツぱつ
)
であつたので、
其
(
そ
)
の
拍手
(
ひやうし
)
に
黒髪
(
くろかみ
)
が
先
(
さき
)
を
巻
(
ま
)
いたまゝ
頷
(
うなぢ
)
へ
崩
(
くづ
)
れた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼は黙って
煙草
(
たばこ
)
を吹かした。それから急に気がついたように書物を伏せて立ち上った。そうして
足早
(
あしばや
)
に階子段をまたぎしぎし鳴らして下へ降りた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
マリ子は、
足早
(
あしばや
)
に、廊下を歩いて、次の部屋の前に立った。すると、部屋の中から、じいじいじい、じいじいじいというかなり高い物音がひびいてきた。
人造人間エフ氏
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しばらくの
後
(
のち
)
、少年は
徐
(
おもむ
)
ろに振り返り、
足早
(
あしばや
)
にこちらへ歩いて来る。が、顔ばかりになった時、ちょっと立ちどまって何かを見る。多少驚きに近い表情。
浅草公園:或シナリオ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
足早
(
あしばや
)
に立去しは
恐
(
おそろ
)
しくもまた
巧
(
たく
)
みなる
企
(
くはだ
)
てなり稍五ツ時頃に
獵師
(
れふし
)
の傳九郎といふが
見付
(
みつけ
)
取散せし
笈摺
(
おひずる
)
并に
菅笠
(
すげがさ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
二郎
(
じろう
)
は、いつか、みんなから
遅
(
おく
)
れて、
汗
(
あせ
)
を
流
(
なが
)
して
歩
(
ある
)
いていったびっこの
馬
(
うま
)
を
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
しました。また、
同時
(
どうじ
)
に、
足早
(
あしばや
)
に
歩
(
ある
)
いていった
健康
(
けんこう
)
な
馬
(
うま
)
の
姿
(
すがた
)
を
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
しました。
びっこのお馬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
横浜から汽車が着いて改札口から
入
(
はい
)
つて来る人々は皆
足早
(
あしばや
)
に燕のやうに
筋違
(
すぢかひ
)
に歩いて出口の方へ
行
(
ゆ
)
く。
御門主
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
まるで二人で
足早
(
あしばや
)
を競つてゐるみたいな形になつて、さうして、めつきり無口になつた。三厩の酒の酔ひが醒めて来たのである。ひどく寒い。いそがざるを得ないのである。
津軽
(新字旧仮名)
/
太宰治
(著)
喬生はふと魏法師の
戒
(
いまし
)
めを思いだした。彼は
厭
(
いや
)
な気がしたので
足早
(
あしばや
)
に通り過ぎようとした。
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そして
可
(
か
)
なり速い足どりで歩いて行きました。それが実際また、あまり速かったので、パーシウスは
足早
(
あしばや
)
の友達クイックシルヴァについて行くのが、少し
難儀
(
なんぎ
)
になって来ました。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
いつも、すらりと
足早
(
あしばや
)
にあるいてゆく彼女の長い足つきは、そのまま
踵
(
かかと
)
の高い女靴をはかせ、その上、スカアトを着けてみたなれば決して見劣りのない西洋人のように見えることである。
幻影の都市
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
そしてはっとした様子で、
足早
(
あしばや
)
にちかよってくる。矢部は、宮川の手を力一杯ふりきって、逃げてしまった。
脳の中の麗人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
三四郎は、しばらく先生の
後影
(
うしろかげ
)
を見送つてゐたが、あとから、
車
(
くるま
)
で
乗
(
の
)
り
付
(
つ
)
ける人が、下足の
札
(
ふだ
)
を受け取る
手間
(
てま
)
も
惜
(
お
)
しさうに、
急
(
いそ
)
いで
這入
(
はい
)
つて
行
(
い
)
くのを見て、自分も
足早
(
あしばや
)
に入場した。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
広子は目だけ微笑しながら、こう言う妹の恋人の前へ心もち
足早
(
あしばや
)
に歩いて行った。
春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
男も女も
脚絆
(
きやはん
)
して
足早
(
あしばや
)
に
上
(
のぼ
)
りゆく旅姿こそをかしからめ。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「おそろしい
足早
(
あしばや
)
な男もあるもの——」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
人憚
(
ひとはばか
)
らず
足早
(
あしばや
)
に進んだ。
星あかり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
弦吾と同志帆立とは、酔漢の頭を飛び越えると
足早
(
あしばや
)
に
猿江
(
さるえ
)
の
交叉点
(
こうさてん
)
の方へ逃げた。
間諜座事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
人憚
(
ひとはゞか
)
らず
足早
(
あしばや
)
に
進
(
すゝ
)
んだ。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
足
常用漢字
小1
部首:⾜
7画
早
常用漢字
小1
部首:⽇
6画
“足”で始まる語句
足
足袋
足許
足下
足音
足掻
足駄
足利
足蹴
足跡