)” の例文
最初の金子かねは雑誌の費用につかつて仕舞しまつたので、其れと感いた妹は又一年程ののちに二度目の五十円を送つて呉れたが
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
布巾輪ふきんわ、たばこ差し、紙切り、砂糖ばさみ、時計枠など、いろいろ外国向きの物品を作るのだが、それを一つあなたの意匠を凝らし、絵師の手を借りずに、ジカけに彫って頂こう。
国府津で一緒になつた新聞記者が二人向側むかふがはに腰を掛けて居るので、この人にはやまひのためにはなしが出来ないと断つてあるのであるから、急に元気いたらいやな気持をおこさせるに違ひないと思つて
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
みんなうしろに片けた
『春と修羅』 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
しかし僕等を最も力ける芸術は、僕等と同じ時代に、僕等と共にくるしみ、共に踠 もがいて、最もよく現代を領解し、最もよく未来を見越した芸術家に期待せねばならぬ。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
若い詩人はその粗末な小さな部屋を小綺麗こぎれいに片けて居た。一つしか無い窓を開けると小路こうぢを隔てて塀の高い監獄の構内をぐ見おろすのである。妙なところに住んでるね。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)