釣臺つりだい)” の例文
新字:釣台
なんだつて、また……大病人たいびやうにん釣臺つりだいでかゝへてて、往來わうらい喧嘩けんくわ出來できない義理ぎりですから、睨着にらみつけてのまんま歩行あるいたさうです。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
つげれば是さへ喜びて忽地たちまち心地は能く成けり忠兵衞たゞち結納ゆひなふそろへる中に其日は暮行くれゆ明日あすあさに品々を釣臺つりだい積登つみのぼせ我家の記章しるし染拔そめぬきたる大紋付の半纒はんてん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
君がかなしき釣臺つりだい
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
くちつめたいものがはひつて、寢臺ねだいうへるのがわかりましたつけ……坊主ばうずきふかねらしたのは、ちやうど、釣臺つりだい病院びやうゐんもんはひときだつたさうです。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
えらみてと言はしたれど此方このはうにてはもとより日にはかまひなければ今日結納ゆひなふ幾久いくひさしく受納致すと目録書を押頂おしいたゞけば忠兵衞は路次ろじそとなる者を呼込よびこみ三荷の釣臺つりだいはこばせて油團を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
絶えて聲なき釣臺つりだい
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
おやとおもふと、灰色はひいろひらきいて、……裏口うらぐちですから、油紙あぶらがみなんからかつた、廊下らうかのつめに、看護婦かんごふつて、ちやう釣臺つりだい受取うけとところだつたんですつて。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
君がかなしき釣臺つりだい
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)