“半纒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はんてん91.0%
ばんてん9.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はだかに半纒はんてんだけ一枚着てみんなの泳ぐのを見てゐる三十ばかりの男が、一ちゃう鉄梃かなてこをもって下流の方からさかのぼって来るのを見ました。
イギリス海岸 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
短い半纒はんてんに、逞しい下半身をあらわにした船頭は、巧みにを操りながら、その示すとおりに、すばやく舟をこぎまわすのであった。
山彦乙女 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
縞の着物に、雑賀屋のしるし半纒ばんてんを着た、六十近い白髪しらが老爺ろうやが腰をかがめて、料理の盆を持ってはいって来た。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
継ぎはぎだらけの尻切り半纒ばんてんにどんつく布子を重ね、古股引ももひきに草鞋ばきである。頬冠りをした上に穴のあいた萱笠という、まことにいぶせき恰好であった。
風流太平記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)