身節みふし)” の例文
それたゞくるしいので、なんですか夢中むちうでしたが、いまでもおぼえてりますのは、其時そのとききりを、貴方あなた身節みふし揉込もみこまれるやうに、手足てあしむねはらへも、ぶる/\とひゞきましたのは
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ああ、面白そうだと思うと、我ながら、引き入れられて、身節みふしがなえて、嬉しくなる。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
軋々ぎしぎしと……四角な天窓あたま乗せられて、鶉の仕切も拷問ごうもんの柱とやら、膝も骨も砕けるほど、辛い苦しい堪え難い、石を抱く責苦に逢うような中でも、身節みふしゆるんで、恍惚うっとりするまでながめていた。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)