趣向しゆこう)” の例文
かういふうたになると、さきはなし調子ちようしでいふと、あるひ趣向しゆこうをもつていつたうただとおもふかたがあるかもれません。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
先方さき公立こうりつなりとておな唱歌しようか本家ほんけのやうなとほをしおる、去年こぞ一昨年おととし先方さきには大人おとな末社まつしやがつきて、まつりの趣向しゆこうれよりははなかせ、喧嘩けんくわ手出てだししのなりがたき仕組しくみもりき
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
と考へ夫々それ/\趣向しゆこうをいたし、一々いち/\口分くちわけにして番号札ばんがうふだけ、ちやんとたなへ、何商法なにしやうはふでもお好次第このみしだい世辞せじがあるといふまでに準備が出来できた、これで開店するといふのだが、うも家屋うち構造かゝりむづかしい
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
ことに、二番にばんめの三番さんばんめのに、注意ちゆういなさい。おなじく趣向しゆこうこらしたところはあつても、さくらへのほうは、いかにもすっきりと、あたまひゞくように出來できてゐます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
霜月しもつきとりにはろんなく門前もんぜん明地あきちかんざしみせひらき、御新造ごしんぞ手拭てぬぐひかぶらせて縁喜ゑんぎいのをとばせる趣向しゆこう、はじめははづかしきことおもひけれど、のきならび素人しろうと手業てわざにて莫大ばくだいもうけとくに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
どちらも今日こんにちからると、すこしおもしろみがぎました。趣向しゆこうこらしてゐるところが露骨ろこつえるが、赤人あかひとほうは、よくかへしてると、いかにもごた/\してゐるでせう。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
二十日はおまつりなればこゝろ一ぱい面白おもしろことをしてと友達ともだちのせがむに、趣向しゆこうなになりと各自めい/\工夫くふうして大勢おほぜいこといではいか、幾金いくらでもいゝわたしすからとてれいとほ勘定かんでうなしの引受ひきうけに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)